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Case 12

■ 「思い込み」による異物クレーム

以前、血液の反応を見る「ルミノール試験」のことを書きましたが、今回は血液ではなくて、血液に間違われたものです。トマトやチリソースを使った商品に多い現象で、ご想像どおり、トマトなどの原料由来のものが多いです。

植物の細胞壁って結構しっかりとできているので、加熱されたものでも、ペーストになっているものでも、顕微鏡で見ると植物の細胞壁が見えます。(もちろん、実際の検査ではルミノール試験も行って血液じゃないことを確認します。)

<血液に間違われたトマトの顕微鏡写真>




ところで、今回は「思い込み」による異物クレームのお話です。

「ないはずのところ」  「ある」 ものは、人を不安にさせますよね。
異物だけじゃなくて、幽霊とか妖怪とかもそう。
それが人間心理ってものだなぁと思います。

例えば、サンドイッチの中に入っているトマトは、当然そこに存在するものだから平気ですよね。
だけど、外側のパンの表面に付いているトマトは、血液かもしれない、と思ってしまう。
これはしょうがないことだと思います。

だから、大手食品会社は、異物混入対策だけではなく、誤認されないよう注意を払って食品を加工・製造・運搬しています。でも、どんなに神経を払っても、誤認によるクレームは無くなりません。

この仕事をしていて、「異物」を少なくするのと、「異物クレーム」を少なくするのとは、似て非なるものなのだなぁと感じています。
「異物」はどちらかというと物理的なもので、整理整頓を初め、危害物質を管理することで対策を取り易いものですが、「異物クレーム」には原料由来のもの、心理的なものも多くあるので、対策が取りづらいものがあるのです。





原料由来の異物クレームの一例

昔、サンドイッチを食べて、口がヒリヒリしたという異物クレームがありました。
そのヒリヒリした物質を特定するために消毒薬などの薬品やアレルギー物質などを疑い、色々と手を尽くしたのですが、さっぱり原因がわかりませんでした。

実際に商品を食べてみると、黒コショウ付きのハムが入っており、臭いも変じゃなくて、とても美味しいものでした。
そして・・・確かに言わて見れば、ヒリヒリするんですよ。
ハムの周りについている黒コショウによって。

同じ商品を食べた異物検査員と消費者の方。
両者の違いは、「原材料を知っているかどうか」 ということでした。

異物検査員は初めから、「黒コショウハム入りサンドイッチ」 だということを知っていて食べたので、ある程度のヒリヒリは通常の範囲内だと思いました。

でも、もし知らなくて食べたらどうか。

確かに 「ヒリヒリするはずがないもの」 を食べて 「ヒリヒリする」 とビックリしますよね。
しかも、商品はサンドイッチ。外からはハムの形は見えませんから、「黒コショウハム」に気付かなくて食べちゃうこともありそうです。



もし、食べたり飲んだりして「ギョッ」とすることがあったら、まずは中身や臭いを確認してください。
もしかすると、「思い込み」という要素が絡んでいるかもしれません。

原料で不安にならないために
食の安全を確認するため、食品を疑って見ることはとても大事なことだと思います。
しかし、じっくり見たこともないものをじっくり見ると、意外に気持ち悪く見えるものが世の中にはたくさんあります。黒コショウなどの調味料はその最たるもので、よく見れば見るほど、小さな虫に見えてしまったり、砂に見えてしまったりするのです。

私たち異物検査員も、異物検査員になる前には普通の人。
周りのモノを常に観察していたわけではありません。
そのため、異物検査員のタマゴは、異物検査員になってスグに検査をすることはできません。
まず最初にやるべき事は、 「モノをよく観察して、特徴を理解する」 ことなのです
そうしないと、異物検査員が誤認してしまう、という恐ろしい結果を招いてしまうからです。

日頃から色々なものをじっくり観察しておくこと、これが不安にならないための第一歩です。


もし疑わしいものがあったら比較確認認することも有効です。
特に、小さなお子さんがいらっしゃるご家庭には、虫眼鏡を1つ準備しておくとよいでしょう。
もし初めから不安にならなくて済むのなら、それに越したことはありませんよね。





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