法人のお客様はこちらをご覧ください 異物総研 個人のお客様用ホームページ  異物検査とその予防方法
異物検査
トップページ サイトマップ
法人のお客様はこちらをご覧ください




Case 17

■ もずくの話

「もずく」がなぜ異物になるのか考えてみました。


これはもずくを顕微鏡で観察したものです。

もずく ←もずく もずく ←さらに拡大


もずくのような海藻類は、大きなものであれば 「あぁモズクだな」 「あぁヒジキだな」 「あぁワカメだな」 と見た目で分かるものですが、異物として入ってくるものはとても小さなものばかり。

見た目では何だかまったくわかりません。

そのため、顕微鏡で細胞比較をする必要に迫られます。



ところで、こういうもずくのようなものが異物として検査に回ってくる時には、ある決まったパターンがあります。

  • お弁当などの加工食品からモズクの切れ端が見つかると、それはもうモズクではなくて 「茶色い虫の糞のような異物」 になります。
    それは「無いはずのもの」 が 「ある」 と不安になるから。
    また、モズクの一切れを見ただけではモズクとは認識しづらいことも、理由になります。

  • モズクを使っている製造業者なら毎日モズクを見ているわけですから、どんなに小さなものでも、見た目でモズクとわかります。そのため異物検査に回ってくることはあまりありません。
    異物検査に回ってくる場合とは、モズクを仕入れてもいなくて、どこから入ったのか完全に不明であり、何だかまるで分からない場合です。



なぜ、モズクの切れ端が加工食品についてしまうことがあるのでしょう。
異物検査員は、「モズクを使用している商品」 もしくは 「別のラインでモズクを使っていた場合」 であれば、製造場所で混入した可能性が高いと思います。
まぁ、これは当然そうですよね。

でも、仕入れすらもしていない場合には、「原料に混入していた可能性」 や 「輸送段階で付着した可能性」 よりも、「ご家庭で混入した可能性」 が高いと考えます。

例えば、「同時にモズクを食べていた場合にお箸に付いた切れ端が混入してしまった」 とか、
前日のお皿やお箸の洗い残しがあった」 とかです。



「もしかして、お箸に付いていたものじゃないかな~?」 と想像される事例、結構多いです。
菜箸などでお惣菜を取り分けた場合とかにそういうことが起こるようです。
菜箸にちょっと別の食品が付いちゃって、異物に見えてしまったり。
・・・異物検査員も自宅でそういう経験があります・・・恥ずかしながら。
地色が白っぽいものだと、目立ちますからねぇ・・・。

この事例は、特に、モズクやヒジキ、ノリなどの海藻で多く見られます。海藻類は、集合体だと何だかわかるけど、切れ端になるとなんだか分かりにくいからでしょうね。





モズク (水雲、海蘊)
「モズク」 の名称の由来は、別の海藻(ホンダワラ類)に付着して生活することから。
「藻に付く」→「藻付」→「モズク」。

本来モズクと呼ばれるものはナガマツモ目・モズク科に属する 「モズク」 という褐藻類の海藻です。
このモズクは通称 「細モズク」 とも呼ばれます。

でも、現在スーパーで売られているモズクは、ナガマツモ目・ナガマツモ科に属する 「太モズク (オキナワモズク、フトモズク、イシモズク)」 がほとんどだそうです。そして太モズクは、海藻には付かずに海底や浅瀬の石や岩に付くそうです。藻に付かない「藻付」・・・面白いですね。

近年、モズクのヌメヌメ成分 「フコイダン」 が健康に良いと話題になり、最近では良く見かけるようになりました。
食べ方としてはモズク酢が一般的ですが、生のものは天ぷらにするととても美味しいのだそうです。
一度食べてみたいものです。





前のページへ 次のページへ
INDEXへ 種類別検索へ


お問合せ・ご注文はこちらから
異物総研株式会社
   Copyright(c) 2007 IBUTU Research Institute, Co.Ltd. All Rights Reserved.