法人のお客様はこちらをご覧ください 異物総研 個人のお客様用ホームページ  異物検査とその予防方法
異物検査
トップページ サイトマップ
法人のお客様はこちらをご覧ください




Case 23

■ カビの異物

そろそろカビの季節

梅雨の季節・・・のはずなんですが、今年はあまり雨が降らないですね~。 
水不足が深刻化している地方もあるので、たくさんの雨が降ってくれないかと思う今日この頃です。

さて、梅雨と言えばカビ! ということで、今日はカビの異物のご紹介です。



カビの好きな季節
カビは室温が好きで、湿度が大好き。
6月という季節は暑すぎず寒すぎず、湿度が高~くなりますから、我々人間にとっては過ごしにくい毎日ですけれど、カビにとっては過ごし易い季節と言えます。

カビは胞子というタネのようなものを作って空気中に浮遊しています。
それが湿度のある場所に付着して発芽し、菌糸が伸びていって、わんさかと発育して目に見える大きさになって、ようやく私たちの目に触れることができます。

つまり・・・カビっていうのは目に見えないだけで、どこにでもいるということ。

「なんだよ、そんなの知ってるよ。 当たり前のことじゃん~。」 と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、カビの異物を見ていると、これが結構 “当たり前のこと” でもないのかも? ・・・と思うことが多いんです。

 ← カビの菌糸



カビの苦情
カビの苦情の多くは、 「商品を開封して食べて、しばらくしたらカビが見つかった」 というもの。

もちろん、商品を開封する前に外側から見てカビが生えていたり、商品を開封した直後に、カビが生えていたのなら、苦情対象になると思います。
基本的にカビは熱に弱い生き物で、加熱すると死んでしまいますから、加熱された食品に発育したカビというのは、加熱不十分だった可能性や、二次汚染 (食品が冷えた後に付着して発育する) の可能性があります。
また、カビが生えるには酸素が必要ですから、脱酸素材などが入っている商品ではカビが生えにくい状態になります。その上でカビが生えていたのであれば、パッケージにピンホールがあいている可能性もあります。

でも、商品を開封してしばらくしてからカビが見つかったのなら、開封時にカビの胞子が混入して、中で発育したと考えるのが妥当です。カビは目に見えないだけでどこにでもいますから、開封後、袋をすぐに閉めたから大丈夫・・・とか、冷蔵庫で保管しているから大丈夫、というのは誤りです。カビは冷蔵庫の中でもすくすくと育っていきます。もちろん、室温に比べると、発育の速度は遅いですけど。
冷蔵庫の中にもカビはいるんだ、と、そういう認識をもって食品の保存をされると良いかと思います。



カビは食べても大丈夫?
さて、カビは一概に悪者ではありません。
チーズの製造に使われたり、日本酒や味噌の製造に用いられたり、ペニシリンなどの抗生物質もカビから発見されていたり。食べても大丈夫なカビもたくさんあります。

このことから、
「お餅に生えたカビは食べても大丈夫!」
「カビの部分を取り除けば食べられる!」
という方も、まれにいらっしゃいます。

でも気をつけて。 これは絶対ではありません。
カビの怖いところは、毒素を作るものがあるということ。毒素の総称は、マイコトキシンといいます。
マイコトキシンは一部のカビだけが作り出すものですが、見た目では、それが毒素を作り出すカビなのかどうかはわかりません。カビの同定というのはとても高度な技術を必要とするので、専門家じゃないとわからないのです。

このマイコトキシンの種類によって、吐き気や腹痛が引き起こされることもあるし、発がん性を持つ毒素もあって、肝炎になってしまうこともあります。
ですから、カビが生えた商品は食べないに越したことはありません
また、カビの菌糸は食品全体に広がっていることもあるので、カビが生えた部分だけ取り除けば大丈夫、ということもありません。



意外なカビの集まり
この仕事をしていてビックリしたのが、換気扇・排気ダクト・窓のサッシに溜まったホコリ・水周りのホコリのカビの多さです。
ホコリの中には、油汚れや繊維に混ざって、多くのカビが発育しています。
顕微鏡でみると、もうギッシリとカビ・カビ・カビ!
アナタは油汚れやホコリじゃなくてカビだったのね!? と、言ってしまいたくなるほどです。

本当にカビはどこにでも存在しています。
そういうホコリを放置しておくと、お部屋の中の空気が悪くなって、室内にカビの胞子が飛びまくります。
そのうち、食品にも家具にも衣類にも、色んなところにカビが生えてくるようになりますから、きちんと掃除をしましょう。
また、掃除したホコリは胞子が飛散しないよう、ポリ袋などに入れて口をしっかりと閉じて、なるべく早くゴミ回収日に出しちゃいましょう。 ゴミ箱の中にそのまま捨てたりすると、その状態で胞子が飛んでしまいますので、せっかく掃除した意味が薄れてしまいます。
特にこれからの季節、要注意です。


カビ
カビは菌類の一部の姿を指すもので、生物学的な定義が難しいもの (つまり総称) です。
一般には細長い菌糸と小さな胞子を持っているもので、接合菌類、子のう菌、担子菌などが主となりますが、集合体になったときにカビに見えるようなもの (発育途中のキノコや酵母や原生生物の一部) もカビと呼ばれることがあります。
湿度の多い季節や湿気の多い場所に多く、食中毒やアレルギーの原因にもなりますが、発酵食品や医薬品の原料となることもあり、一概に悪者とは言えません。





前のページへ 次のページへ
INDEXへ 種類別検索へ


お問合せ・ご注文はこちらから
異物総研株式会社
   Copyright(c) 2007 IBUTU Research Institute, Co.Ltd. All Rights Reserved.