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Case 37

■ 肉の変色事例 (硝酸塩編)

ロールキャベツのお肉がピンク色に∑( ̄口 ̄;)!

こんにちは、異物検査員です。

ご家庭でロールキャベツを作って、中の肉がピンク色になっていたことってありませんか?

加熱した肉 ←お肉を普通に加熱すると、こういう茶色になりますよね。

加熱したのに赤い肉 ←でも、ロールキャベツだと、なぜ?どうして? って思うくらいピンク色に。


長時間煮込んでいるのにも関わらず、全体的に生のようなピンク色をしていると、
不思議だな~ って思いますよね。

お店で作られたロールキャベツなら、加熱不十分なんじゃないの!? なんてドキドキしそうです。

でもこれは、野菜に含まれている “硝酸塩” による 自然変色 なんです。




硝酸塩って何?
硝酸塩は、硝酸カリウム とか 硝酸ナトリウム とか、硝酸○○ というものの総称のようなもの。
硝酸カリウム や 硝酸ナトリウム は、発色剤として食品添加物として用いられているものです。

つまり、 硝酸塩 とは、お肉を ピンク ~ 赤く することができる物質なんです。

野菜には多くの硝酸塩が含まれています。
だから、じっくり加熱すればするほど、お肉が野菜の中の硝酸塩として反応して、
ピンク色になっちゃうっていうカラクリなんです。




どうして野菜の中に硝酸塩が入っているの?
もともと、 硝酸塩 は畑の土に含まれているものなんです。
植物がちゃんと成長するためには、 「窒素 ・ リン ・ カリ」 が必要なんですが、
硝酸塩 は植物にとって、大事な窒素源。

そのため、肥料として 硝酸塩 が使われることもあります。

そうして吸収された 硝酸塩 は、タンパク質などの化合物を作るのに使われていきますが、
日光不足が続いたり、土の中に含まれている 硝酸塩 が多すぎると、 
硝酸塩 のまま植物の中に残ります。
そういうことから、野菜の中には 硝酸塩 が入っていることが多いんです。




発色剤 って 発がん性物質 だって聞いたことがあるんだけど?
発色剤として用いられているものには、上記に書いた 硝酸カリウム 、 硝酸ナトリウム のほかに、
もう1つ、 亜硝酸ナトリウム というものがあります。

発がん性で問題視されているのが、 この 亜硝酸ナトリウム です。
でも、亜硝酸ナトリウム自体に発がん性があるわけじゃないんです。

“亜硝酸ナトリウム” と “たんぱく質が分解してできたジメチルアミン” っていうのが化学反応して、
 “ジメチルニトロソアミン” ができるって言われているんですが、
この “ジメチルニトロソアミン” っていうのが発がん性を持っているんです。

つまり、発がん性物質である “ジメチルニトロソアミン” を作れる材料だから、
亜硝酸ナトリウムは危険、といわれているんですね。
実際に胃の中でも ジメチルニトロソアミン は作られるそうなんですよ。

だから、亜硝酸については、食品衛生法で残留している量が決められています。
これを、 亜硝酸根(あしょうさんこん) って言います。
亜硝酸の残留量を検査する場合、 亜硝酸根 として数値が出されます。

(ずっと不思議なんですけど、亜硝酸根の 根 ってなんだろう・・・。
亜硝酸として活性があること、なのかしら・・・。)




硝酸塩 って 亜硝酸塩 にならないの?

ここで、不安になるのが、 硝酸塩 と 亜硝酸塩 の名前が似ていること!

“亜” ってなんだよ!? 同じものじゃないのか? と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
二つはもちろん同じものじゃないです。
でも、この二つ、似ているのも確かです。

どこが似ているのかというと化学構造。
硝酸 (HNO3) から 酸素 (O) が一個なくなっちゃったのが 亜硝酸 (HNO2)。
でも、そんな話は頭が痛くなっちゃうので、詳しいことは割愛します。

で、結論から言うと、硝酸塩は微生物の影響を受けて、亜硝酸塩になります。
このことは、食品を口の中で噛んでいる時に、
硝酸塩 が 亜硝酸塩 に変化するということを意味します。
なぜなら、口の中には多くの微生物が棲んでいるからです。

あと、体内で 硝酸塩 が 亜硝酸塩 に変化することもあるそうです。
ただ、どれくらいの 硝酸塩 が 亜硝酸塩 に変化するのか、
体内でどういうメカニズムで変化するのか、
という詳しい情報は今でもわからないんだそうです。




野菜には亜硝酸塩は入ってないの?
もちろん、野菜や他の植物にも亜硝酸塩は含まれています。
硝酸塩に比べると少ないですけどね。

含有量の目安を知りたい方は、下項目をクリックしてくださいね。
 (1)生鮮食品中の硝酸塩,亜硝酸塩含有量 (81品目,377検体)
 (2)加工食品中の硝酸塩,亜硝酸塩含有量 (117品目,373検体)
国立医薬品食品衛生研究所安全情報部  食品添加物ADI関連情報データベースより




亜硝酸塩をどうして添加物として使うの?
亜硝酸塩は、発がん性物質の原材料になるという悪い面ばかりがクローズアップされ、
一部の方からは大変忌み嫌われている添加物なんですが、
実はその一方でよい一面も持っているんです。

その効用は4つあって、

  1. お肉の獣臭さをなくさせる効果がある。
  2. 使うと熟成されて、美味しい食肉加工品になる。
  3. お肉の保存性を高める。
  4. 最悪の食中毒菌である、ボツリヌス菌の繁殖を抑える。


この中で、特に、4番は重要です。
食肉加工品 (例えばソーセージとか) は、しっかりとパッケージングされたものが多いから、
空気がキライなボツリヌス菌が繁殖し易いんですよね。
ボツリヌス菌は人を死に至らしめることもある、最悪最強の食中毒菌!
亜硝酸塩が今でも使われているのには、こんな理由があります。

そして、野菜に多く含まれている硝酸塩は口の中で亜硝酸塩に変わっているんですけど、
食肉加工品に添加されている亜硝酸塩の量に比べると、口中生成量の方が格段に多いんですよね。

このような メリット と デメリット を比較すると、製造業者にとっても、消費者にとっても、
亜硝酸塩を使ったほうが メリットが高いだろうということになります。

このことは、

“どんな食材も食べ過ぎると毒になる”

ということを端的に表している事例だと思うんですよね。




食べても大丈夫?
さぁ、これが問題です。 ピンク色になったお肉を食べても大丈夫でしょうか。

異物検査員は上記で次のようなことを書いてきました。

  1. ロールキャベツのお肉がピンク色になる原因は、野菜に含まれている硝酸塩によるもので、
    自然現象である。
  2. 硝酸塩は、発色剤として食品添加物として用いられている。
  3. 発色剤の中の亜硝酸塩は、発がん性の原因物質と言われている。
  4. 亜硝酸塩は、硝酸塩が微生物の作用によって作られる物質で、食品を噛んでいる時に普通に作られているものである。
  5. 亜硝酸塩も、硝酸塩よりは少ないけれど、多くの食品に含まれている。


つまりですね・・・体に害が無いとは言い切れないんだけど、
多くの人や長生きされている方が、気にせず食べているものでもあるんですよね・・・。

だって・・・野菜に含まれているんですもん・・・。


このことから言えるのは・・・
  もし、食品添加物を、絶対に摂取しないと決めている人
  なるべくならば食べたくないという人、  ピンク色のお肉が気持ち悪い人
  は、食べない方が無難です。
  その代わり、お野菜を食べる時にも硝酸塩を少なくするように、
  調理する工夫を行った方がよいでしょう。 (マメ知識を参照してくださいね)

そして・・・
  食品添加物をなるべくならとりたくないけど、野菜にはそこまで気を配りたくない人や、
  生野菜が好き♪ これからも好き♪  という人は、食べても平気でしょう。

ちなみに・・・異物検査員は後者です。 美味しく頂きます♪




参考: 「野菜中の硝酸塩に関する情報」 農林水産省 消費・安全局 農産安全管理課



野菜から硝酸塩を少なくする調理法

「ゆでて絞る」 と 「漬ける」 のが効果的です。

ほうれん草などの葉物野菜から硝酸塩を少なくするには、

  • 「ゆでて、絞る」 ・・・約30~45%の硝酸塩が除去できるそうです。
  • 「塩漬けで水洗い後、手絞り」 ・・・約50%の硝酸塩が除去できるそうです。
  • 「ぬかみそ漬けで水洗い後、水切り」 ・・・約30%の硝酸塩が除去できるそうです。


大根やカブなどの根菜類では、「絞る」 のが難しい面もありますが、

  • 「ゆでる」 ・・・約20%の硝酸塩が除去できるそうです。
  • 「塩漬けで水洗い後、手絞り」 ・・・約30%の硝酸塩が除去できるそうです。
  • 「ぬかみそ漬けで水洗い後、水切り」 ・・・約30%の硝酸塩が除去できるそうです。





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