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Case 15

■ 緑変事例 植物編

サツマイモ・ゴボウ・ウドなどの緑変現象


今回は、サツマイモの緑変現象についてです。

緑変現象 <サツマイモの緑変現象>

サツマイモを加熱したとき、一部が緑色になることがあります。

特に、サツマイモの天ぷら で、とても多く出てきます。
その緑色は半端じゃありません。 そりゃぁもう、写真のような鮮やかな濃い緑色。
はじめて見ると、相当驚きます。

ちなみに、ゴボウやウドなどの食材でも、同じような緑変現象が起こります。

これは、植物に含まれているクロロゲン酸という成分によるものです。



クロロゲン酸
クロロゲン酸っていうのは、 5-カフェオイルキナ酸 っていう舌を噛みそうな名前の化合物で、多くの植物に含まれています。そして、サツマイモ、ゴボウ、ウドなどには多く含まれています。
このクロロゲン酸がアルカリに出会ってしまうと、いくつかの反応が進んで、最終的に緑色の色素ができてしまうのです。


アルカリって?
アルカリっていうのは、「酸とアルカリ」 の、あのアルカリ。
リトマス試験紙で青色になるものの総称で、特定の成分を指すものではありません。

ちなみに、サツマイモやゴボウやウドは、そんなにアルカリ性じゃないので、いつも緑変するということはありません。まれに、自然変色する場合もあるようですが、それはうっすらと緑色になるだけ。写真のように鮮やかに緑変することはないようです。

ではなぜ、サツマイモやゴボウやウドの天ぷらが、緑色に変わってしまうのか??

それは、天ぷら粉に含まれている重曹やベーキングパウダーがアルカリ性だからなのです。



時間が経って緑色になる現象
「サツマイモを冷蔵庫に入れておくと、はじめは普通の色だったのに、緑色になってしまった!」
という現象もあります。

これは、冷蔵庫の中の空気環境によるものと考えられます。

食品が分解される時にちょっとずつ出てくる気体の中には、アンモニア などの クロロゲン酸を緑色にさせてしまうアルカリ成分 が含まれています。それが徐々に反応して、だんだんとサツマイモが緑色に変化していきます。



食べても大丈夫?
クロロゲン酸が緑色に変化した色素の毒性について書かれたものはありません。
だから、天ぷらなどの加熱後すぐのものだったら、食べても平気でしょう。
でも、本当に鮮やかな緑色すぎて、食べる気がなくなるかもしれません。
気味が悪かったら、捨ててしまいましょう。

でも、気をつけて!
冷蔵庫に放置して緑色に変色したものは、食べては危険です。

なぜなら、放置している間に食中毒菌が繁殖している可能性が高いからです。
変なものは捨ててしまいましょう。


クロロゲン酸
ポリフェノールの一種でコーヒー豆に多く含まれています。熱に不安定で、若干の渋みがあります。

サツマイモやゴボウ、ウドなどに多く含まれており、切った後に放置すると、切り口が茶色に変色するのはクロロゲン酸によるものといわれています。

消化器性疾患や、代謝性疾患を改善する作用が認められているようです。





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