「もずく」がなぜ異物になるのか考えてみました。
これはもずくを顕微鏡で観察したものです。
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もずくのような海藻類は、大きなものであれば 「あぁモズクだな」 「あぁヒジキだな」 「あぁワカメだな」 と見た目で分かるものですが、異物として入ってくるものはとても小さなものばかり。
見た目では何だかまったくわかりません。
そのため、顕微鏡で細胞比較をする必要に迫られます。
ところで、こういうもずくのようなものが異物として検査に回ってくる時には、ある決まったパターンがあります。
- お弁当などの加工食品からモズクの切れ端が見つかると、それはもうモズクではなくて 「茶色い虫の糞のような異物」 になります。
それは「無いはずのもの」 が 「ある」 と不安になるから。
また、モズクの一切れを見ただけではモズクとは認識しづらいことも、理由になります。
- モズクを使っている製造業者なら毎日モズクを見ているわけですから、どんなに小さなものでも、見た目でモズクとわかります。そのため異物検査に回ってくることはあまりありません。
異物検査に回ってくる場合とは、モズクを仕入れてもいなくて、どこから入ったのか完全に不明であり、何だかまるで分からない場合です。
なぜ、モズクの切れ端が加工食品についてしまうことがあるのでしょう。
異物検査員は、「モズクを使用している商品」 もしくは 「別のラインでモズクを使っていた場合」 であれば、製造場所で混入した可能性が高いと思います。
まぁ、これは当然そうですよね。
でも、仕入れすらもしていない場合には、「原料に混入していた可能性」 や 「輸送段階で付着した可能性」 よりも、「ご家庭で混入した可能性」 が高いと考えます。
例えば、「同時にモズクを食べていた場合にお箸に付いた切れ端が混入してしまった」 とか、
「前日のお皿やお箸の洗い残しがあった」 とかです。
「もしかして、お箸に付いていたものじゃないかな~?」 と想像される事例、結構多いです。
菜箸などでお惣菜を取り分けた場合とかにそういうことが起こるようです。
菜箸にちょっと別の食品が付いちゃって、異物に見えてしまったり。
・・・異物検査員も自宅でそういう経験があります・・・恥ずかしながら。
地色が白っぽいものだと、目立ちますからねぇ・・・。
この事例は、特に、モズクやヒジキ、ノリなどの海藻で多く見られます。海藻類は、集合体だと何だかわかるけど、切れ端になるとなんだか分かりにくいからでしょうね。
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