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Case 22

■ ノコギリヒラタムシ

穀物の盗っ人!

お菓子の中から見つかった小さな虫を紹介します。

 ← 3mmくらいの小さな虫です。

これは ノコギリヒラタムシ

ノコギリヒラタムシは、かなり有名な 「貯穀害虫」です。

貯穀とは、字面の通り 「貯蔵された穀物」 、お米や小麦粉のことです。
その他に、乾燥した果物やアーモンドなどの種子も食べちゃいます。
つまり、それらが原料のお菓子、乾麺、パンなどから出てくることがあります。




ノコギリヒラタムシは名前が面白い!
名前にノコギリとついているのには、理由があります。
この虫の胸部の側縁には見事なギザギザがあるんです。

 ← 胸部がギザギザしてます!

虫はとっても小さいので、胸部側縁のギザギザはよ~く見てみないとわからないのですが、
拡大してみると、このギザギザ感は、なるほど確かにノコギリの刃!
この虫を理解するには、別名を知るともっとよくわかります。
別名 ノコギリコクヌスト と言うんですが、コクヌストとは、漢字で「穀盗人」 と書くそうです。

穀物の盗人ってことは・・・

米ドロボウ ってことじゃん!(笑) 

いや、彼らは貯蔵穀物や乾燥果実など広い食性を持っているので、米だけとは限りませんけど。
ノコギリのような特徴をもった穀物ドロボウ。 それがノコギリヒラタムシの本性です! (笑)




ノコギリヒラタムシが発見されたら他の虫もいる!?
ノコギリヒラタムシは、ノコギリの刃のような胸部を持っていて、
見た目も名前も攻撃的な印象を与えるのですが、ちょっと意外な特徴があります。
彼らは 噛む力が弱い んです。

貯穀害虫というのは一般的にアゴが強い虫が多くて、包装袋を自分で食い破って侵入しちゃうことが多いんですけれど、ノコギリヒラタムシはそんなことはありません。

噛む力が弱いからなのか、 「粒」 よりも 「粉」 が好き!
ノコギリヒラタムシが、もともと粉状の食品である小麦粉から出てくるのには、そんな理由があります。

このことは、とても重要なこと。
この虫が包装された商品から出てきたら、

他の虫があけた穴から侵入した可能性があるんです。

そして、この虫が粒状の商品から出てきたら・・・つまり、お米とかアーモンドとかから見つかったら、

他の虫が食べた後の残りカスを食べている可能性もあるんです。




ノコギリヒラタムシが見つかったらどうすれば良い?
貯蔵害虫が発見されたということは、コバエやコバチが見つかるのとは意味合いが異なります。
コバエやコバチのような小さい飛翔昆虫はたまたま混入してしまった可能性が高く、それこそ食品を食べている最中に付いてしまった可能性もあるのですが、貯蔵害虫は時間を掛けて混入して繁殖していることが多いのです。

特に、ノコギリヒラタムシはちゃっかりモノ。
他の虫が時間をかけて食品に侵入し、ようやくエサにありついて食べている最中・食べ終えた後に登場することが多いですから注意が必要です。

もちろん、商品の空気穴などからも侵入することができる小さい虫なので、偶然混入している可能性もあります。

この虫が見つかったら、なんといっても、状況確認が最重要。
もし、何かの商品からノコギリヒラタムシっぽい虫が出てきたら、製造元や販売元などに連絡を入れて、教えてあげてください。

ただし、製造元や工場内で繁殖したに違いない! と考えるのは危険です。
ご家庭で繁殖していることもありますから、常温で保存している食材 (お米、小麦粉、パスタ、うどんやソバなどの乾麺、クッキーなどのお菓子) をチェックしてみてくださいね。
開封していないから大丈夫、と思わずに、すべての商品を見てみてください。
貯蔵害虫の多くは2~3mmの大きさがありますから、見つけるのは簡単だと思います。
同じ虫が見つからなくても、他の虫が見つかるかもしれません。

なお、これらの食材は袋のまま保管せず、厚手のプラケースやガラスケースなどに入れておくことをオススメします。





ノコギリヒラタムシ
別名ノコギリコクヌスト。
米や小麦、トウモロコシなどの穀物や、それらを用いたお菓子やパンなどの加工食品、乾燥した果実などを食べます。他の虫により生じた破砕穀物 (残りカス) や粉を好むので、発見されたら他の虫がいる可能性も疑われます。
噛むチカラは弱く包材に穴を開けることはありませんが、体が小さいので、袋に開けられた空気穴などの小さな隙間から侵入する例は多く、注意が必要です。





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